マズローの自己実現理論で考える人生で本当に大切なこと

 

マズロー自己実現理論とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが人間の欲求を5段階の階層で理論化したものです。

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欠乏欲求と成長欲求

ピラミッドの下位4段階を欠乏欲求、1番上の段階を成長欲求と分けることがあります。

欠乏欲求とは、生きていく上で必要なものが欠乏している際に現れる欲求です。

マズロー(1943)は初め、次の欲求段階に進むには下の欲求階層(欠乏欲求)が満たされなければならないとしました。

しかし、のちにマズロー(1987)は、「次の欲求が出てくる前に、欲求は100%満たされなければならないというのは間違いである」と指摘。欠乏欲求は、多かれ少なかれ(0か100ではなく)満たされることで消え、新たに次の欲求が生まれるといいます。

一方、成長欲求は、何らかの欠乏から生まれる欲求ではなく、人として成長したいという願望のこと。この欲求が一度満たされると、欠乏欲求よりも長く強く持続します。

 

5つの欲求

生理的欲求

生命を維持するための基本的欲求。食事、睡眠など。健康的な人間であれば満たされているため、次の段階の欲求が出現。

安全な欲求

予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求。生活水準の安定、健康状態の維持、経済的安定などを含む。

社会的欲求と愛の欲求

自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚。また、情緒的には、他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚。この欲求が不足すると、孤独感や社会的不安、鬱状態の原因となる。

承認の欲求

自分が集団から価値のある存在だと認められ、尊重されることを求める欲求。尊重のレベルには2つあり、1.自己尊重感(達成、自立性、自己信頼感など)と2.他者からの評判や尊敬の欲求地位、名声、利権、注目など)マズローは、他人からの評価よりも、自分自身の評価が大事であるとした。この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じる。

自己実現の欲求

自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものになるという欲求である。

 

自分の行動はどの欲求からのもの?

マズローは、この欲求段階は厳密ではなく、環境と個人差により違いが現れると指摘しました。例えば、ある人は、愛の欲求よりも承認欲求の方が大事であり、またある人は、他の基礎的欲求よりも自己実現の欲求が強いなど。

またマズロー(1987)は、大抵の行動は、1つの欲求からというよりも、複数の欲求(もしくは全ての欲求)から生まれるとも主張しています。

 

まとめ
  • 人間は5段階の欲求で動機づけされている。
  • 基礎的欲求は多かれ少なかれ満たされる。
  • 欲求の段階は厳密ではなく、人により優先順位が変わる
  • 大抵の行動は複数の欲求から生まれる。

 

考察

マズロー自己実現理論を知ることで、自分自身に足りないものや本当に欲しているものを確かめることができます。あなたが自己実現するために必要なものはなんですか?もし今、ただお金を稼ぐために働いているとしたら、1度考えてみてください。お金より大切なものは、あなた自身です。お金は自己実現するためのツールであって、ゴールではありません。「自分が本当に求めていることは何か」見落としがちなことですが、間違えずにいきたいですね。